2話でいきなり世界観をひっくり返し、一躍今期の注目アニメとなったデカダンス。
その後もテンポよくストーリーを進めていましたが、駆け足気味で最終話まで見ると消化不良という印象を受けてしまいました。
駆け足
全体的にとてもテンポがよく、普通は何話もかけてやりそうな部分を(ナツメの修行とか)一瞬で終わらせて且つあまり違和感も無い流れになっていたのですごいなあと思っていました。
しかし、7話でナツメの説得を断ったタンカーたちが急に協力してきたのは正直”ご都合主義”にしか見えませんでした。
個人的に、こういう脚本都合でキャラが洗脳されたように立ち振る舞うと結構冷めるのでここから少し見る目が変わってしまった部分はあります。
そして最終話の展開。
バグのガドルであるタツノオトシゴを倒して、その後新たなデカダンスでサイボーグと人間は仲良く暮らしましためでたしめでたしで終わったわけですが、かなり物足りない終わり方でした。
結局バグも含めてシステムの手の平の上というオチはナツメの「世界を変えたかったんじゃない。自分を変えたかったんだ」という台詞ともリンクしてるので別に良いんですけど、人類が殆ど死滅してサイボーグだらけになった世界観の割にはえらく緩い終わり方だと感じました。
色々気になる部分も残ってるし消化不良感が否めない。
ここから下は個人的に気になった部分。
ジルえもん
バグ矯正施設からのログイン、ガドル工場への潜入、ハッキング、デカダンス本体にログインなど、後半の展開は全てジルありきの物でした。
その割にそこまでジルにスポットライトがあてられることは無く、デカダンスの開発責任者という説明と5.5話でチラッと映ってた描写だけで終わってしまいました。
こういう万能キャラが居ると何が起こってもとりあえずそのキャラに頼る大味展開になってしまうので、ちょっとジルはやりすぎた感じがしました。
パイプ
序盤からバグのガドルとして意味深な描写をされてたパイプですが、結局何のひねりも無くGGSで死亡していました。
あの扱いと描写の仕方は再登場する感じだったので、これは演出ミスだと思います。
ジルが「デカダンスに残したバグ」みたいな匂わせ発言してたのも余計にパイプ再登場を期待させてました。(結局ジルが残したバグが何だったのか分からなかった)
ナツメ
ナツメが後半から単なるカブラギのやる気スイッチと化してしまったのが少し残念でした。
そもそもダブル主人公では無かったのかもしれませんけど、勝手にそう思ってただけに置物になってたのは残念。
もう少し活躍してほしかった。
タンカー
最初こそギアとタンカーという対比が描かれていましたが、話が進むにつれどんどんタンカーの影が薄くなっていきギアとサイボーグの話だけになっていきました。
最終話でも”3年後”という一言だけで済まされて、作り物の世界についてどう思ったのか、サイボーグと何故共生する道を選んだのか、等々は一切描かれませんでした。
ナツメの同級生たちも殆ど出番は無くいつの間にかナツメを認めてましたし、タンカーという設定自体必要だったのかと思ってしまいました。
まとめ
2クールあれば良かったのに
これに尽きる。
一応綺麗に終わった雰囲気にはなっていて面白いと言えば面白かったのですが、色々消化不良で設定を生かし切れていなかったのでもったいない作品でした。
ここから後出しでスタッフが色々語るんでしょうけど、それなら2クールやってほしかったな・・・
コメント
今シーズンは「天晴爛漫!」もそうでしたけど、1クールだと短すぎてキャラの掘り下げ不足が顕著でしたね
序盤でどんでん返しや急展開で話題を呼んだ作品と言えば『まどかマギカ』でしたけど、あれは登場キャラ数を絞って世界観を箱庭的にしたのが正解でした
続編ではキャラが増えてイマイチになってしまいましたが
やはり1クールでまとめるには広大な世界が舞台だと本当にダイジェスト展開になりますね
おそらくアニメが終わった後に円盤の特典とかで後日談とか細かい設定とか出すんでしょうけど、個人的にはもっとオンエアーでしっかりやってほしいです。